semai92117’s diary

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合造車

合造車は、異なる目的の車室を一両に組み込んだ車両の事。異等級、荷物、郵便、食堂車等々、様々な車両が作られて異彩を放っていたから、目立つ存在だった。

特に郵便と荷物と客室を設備した車両は、好物のひとつだったが、元々種類も数量も少ないから、巡りあう事も珍しかった。

昔の駅の売店は、殆どが鉄道弘済会売店で、各駅の売店への新聞や物資の輸送などにも活躍していた。お客も荷物の一種には違いないけど、物と人を同じ車両で運ぶと言う発想も、結構図太い神経だとは、思う。

但し、何でも昔より現代が進化してるか、と言うと実は違っていて、荷物合造車が鉄道小荷物取り扱い廃止とともに新造されず廃車になってしまったが、各駅への物資輸送の需要は、実は現代でも残っていて、やむを得ず、一般車両の先頭(最後尾)の一部を何とカーテンで仕切った簡易荷物室を設置して輸送している。

荷物輸送が無い時には、カーテンを外して客室として人を乗せる訳だから、昔の合造車の方が、旅客にとっては遥かに優遇されていた事になる。皮肉なものだ。

昔を知る現場の職員は複雑な心境だろう。

 

キハユニ15 1965年水戸にて