semai92117’s diary

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龍ヶ森

龍ヶ森は岩手県北部の好摩秋田県の大館を結ぶ花輪線の信号所だが、駅前がスキー場なので側線に廃車となった旧型客車を置いて、簡易宿泊所として使われていた。私は勿論スキーでなくここを走るハチロクを撮る為に何度か宿泊した。周りにはスキー場だけで人家も無いので食料持参で素泊まり。吹雪の夜はとにかく寒かった。

うろ覚えだけど、リフトは無くてロープトウと言う登坂補助具だけだったと思う。だからシーズン中でも客は少なく、地元の子供達が練習していた記憶がある。

それが、いつの間にかハイカラな名前に代わり、立派な設備を備えたスキー場に生まれ変わったようで、今龍ヶ森と言う地名は無くなってしまった。

都会の造成地等で、開発造成した土地を少しでも好印象にしようと、元からあった地名を変えてしまう事が頻繁に行われているけど、そこの地名の由来や伝承も消えてしまう事の責任を販売者や開発者は全く意に介さない。

最近地震や大雨による土砂崩れ被害が出た時に、元の地名はこれこれで、昔から地すべりが多かった土地です。などとしたり顔で解説する人をTVで見かけると、地名変更に関与した人の罪深さを思い出して、やりきれない気分になる。

龍ヶ森は岩手と秋田の県境で秋田方へ下ると十和田湖への入り口の十和田南へ出る場所。きっと信仰に絡んだ伝説があった場所だろうと思う。

当時はそんな事より小さなハチロクが前後について必死で坂を登る姿を追い求めて付近を徘徊していた。朝昼晩駅売りのアンパンを食べて写真を撮った若い頃の想い出の場所の一つ。

 

 

 

1967年12月龍ヶ森にて