いすゞ・117クーペ
鉄道写真のネガに一コマだけ写っていた車が、いすゞ117クーペだった。
この頃は自家用車が普及しておらず珍しい時代で、当時学校敷地内の社宅?に住んでいた先生が我々生徒に中古のN360A(ホンダの軽自動車)を見せてくれたけれど、何せ中ぶるなので床から雨漏りし雨中を走ると跳ね上げた水が室内に侵入する代物だったので、笑い者にした記憶がある。(勿論妬みと羨ましさが大半)
そんな頃に忽然と姿を表したのがいすゞ117クーペ。クーペは既に死語だがスポーツカーの代名詞だった。今改めて眺めても、60年前のデザインとは思えない美しさ、というか優美な姿だと思う。
全く同じデザインの車体に現代のメカニズムを搭載した車を売り出したら、間違いなく売れるだろうと思うけど、どうだろう。
特に最近各社のデザインが何故か酷似していて、ぱっと見てもどこのメーカーか判然としないだけでなく、何となく歯をむき出しにして走ってるような面相がとても品の無い
顔立ちと感じてしまう。
憧れの時代、大衆化時代を経て車が売れない時代、車を所有したがらない時代へと移り変わって、この先の変化の方向性が見出しにくいが、無くなる事は無いだろう。
美しいと言うコンセプトもアリではないかな。