semai92117’s diary

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小樽築港

北海道の近代化は小樽から始まったと言える。江戸時代から北前船の基地で古来舞鶴との間に頻繁な往来があった事と豊富なニシン漁場がすぐ近くにあった事もあって、経済の中心地として発展した。やがて内陸地帯への開拓の為に、移動手段として交通網の整備が始まった。北海道初の鉄道が敷設され、鉄道網構築の先駆けとなった。

小樽の街は港のすぐ傍まで丘陵が迫る狭隘地で埋め立てても足らず、湾に沿って町が展開された。だから、小樽の機関区は小樽から3駅目の小樽築港に設けられた。千歳周りが開通するまでは、札幌と函館を結ぶ大動脈で、羊蹄山の裾野を通る急峻な登山ルートの入り口に当たる為、狭い町に目一杯の大規模な機関区があった。

蒸気機関車が全廃された後も機関区跡地は長らく空き地だったが、観光地としての復活を目指して、大規模再開発され、外資の複合施設や俳優の石原記念館なども新設されて、全く往時の面影は跡形もなく消えてしまった。

初めて機関区を訪問したのは、1966年の夏で家族旅行の時に頼んで別行動させてもらって、一人で訪ねたのだが、何か危急の為にと預けられた千円札を途中で紛失してしまった、とても苦い想い出の地でもある。何しろ当時の千円だから相当の価値で、頭の中が真っ白になった。爾来私はお金を紛失した事が無いから、よほど堪えたのだと思う。

旅客の移動が苫小牧経由に変わって小樽は静かな町に変貌したが、明治時代の活気を伝える史跡や文化が香る町で、銀座や新宿と変わらぬ札幌よりも、北海道の旅情を残してる町だと思う。更に余市から積丹半島の絶景に接するにも好都合の場所で、道東の知床や道南の洞爺だけが北海道じゃないぞ、富良野のような新しく作った観光地でもないんだぞ。って宣伝したらどうかと思う。観光客に媚びずに歴史を伝える、私の好きな町だ。

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1967年12月小樽築港にて

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TVドラマに出演した9633号機

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端正な作りの機関区事務所